<2003・・・> 渓に抱かれ 番外編

上部を枝葉が覆う長いトロ場で 障害物を実に

上手く避けては 正確にポイントを攻め込んで

行くでは無いか。

良くコントロールされた竿捌きに 思わず唸る

先程から 盛んに跳ねる魚影は 若者が繰り出す

誘惑に 堪らず反応すると幾つも大物が付いて

来る 反転する体側には はっきりと小判型の

衣装を見て取れた 渓魚ウオッチングなんてのも

中々 飽きずに面白い物だと 改めて気がついた



帰路 未知の河口へと車を飛ばす あわよくば

サクラの姿も 拝めるかもしれない・・・・・・・・・

橋上から 見守る中で 鴎の群れる沖へと

若者はルアーを打ち込んだ 時折跳ねる

大型の魚体に 思わず身を乗り出す

・・・・ヒット!・・・・

でも 何かおかしい 難なく寄って来た魚は

竿先で 丸く 々膨れると ユラユラ揺れて居た。


一昔前には 釣師の気配も稀な釣場でも

今は嫌でも人の臭いは 消す事も出来ない

若者の釣師人生其の未来に 希望の二文字は

存在するのだろうか。


                       OOZEKI

釣師暦三十年の釣友

生息限界線のヤマメ

無心にルアーを引く若者